大切な人や愛する存在を亡くした方のためのグリーフケアサイト

「時々は逆戻りしながら、折れ線グラフのようになりながら、少しずつ回復していくのだと信じています。」

カウンセラーの日高りえです。

5ヶ月前に夫を亡くしたさとみさんから、エールフォワードをいただきました。

エールフォワードとして受け渡していきたいと思います。

エールフォワードとは、
喪失体験のある方が少し過去を振り返り、愛する方を亡くした時、助けになったこと・励みになったこと・心の支えになった体験を、エールを込めて受け渡していくという意味で名付けています。

とうとう、主人の生きていた年が過ぎ去ってしまいました。クリスマスはそうでもなかったのですが、やはり、大晦日の夕暮れ時から、何とも言えない寂寥感に襲われました。そして、運転中に流れてきた米津玄師のレモンを聞いて、涙が溢れてなかなかとまりませんでした。歌詞の中の一つ一つがじわじわと胸に迫ってきました。行
く年来る年では、横浜中華街が映っていましたが、偶然にもコロナ禍に入る前の年に行った、最後の家族旅行の地でした。

12月には、私の誕生日があり、また一つ年を取ってしまいましたが、その分、主人のいる所に近づけたのだと思っています。時の経つのがすごく速く感じられ、主人と再会するのも、そう遠くない未来のような気がして、嬉しいような気持ちにもなります。

大好きなアンドーナツも、主人が亡くなってから食べる気も起きなかったのに、食べられるようになりました。体重を5ヶ月ぶりに測ってみたら、ちょうど10キロ痩せていました。主人が生きていたころは、きっと幸せ太りだったのでしょう。自分では、努力しているつもりでもなかなか減らず、諦めていたのに、主人が亡くなって
から、いつの間にか、こんなに減っていました。

喪中ハガキを出した後、数人からお悔やみの電話がありましたが、数ヶ月経っているから立ち直っていると思われたのか、何とも明るくお悔やみを言われてしまいました。死因を聞かれれば、説明しているうち、涙声になってしまうので、近くで聞いている子供達がオロオロしてしまい、お互いつらいので、その後は、申し訳なかった
けど、ずっと留守番電話にしていました。

遺族年金証書が年末年始ギリギリに届き、最初の年金支払いは、主人の5回めの月命日の前日でした。給料からたくさん引かれて、主人が貰えるはずだった年金は主人は貰えず、切なくて仕方なかったのですが、主人の分も私が長生きして貰ってやる!と思ったりもします。そして、主人に「お父さんはすごいね!生きている時も亡く
なってからも、こうやって、私を守ってくれて」と言いました。泣いてばかりいるより、そう言われた方が主人が喜んでくれる気がしたからです。

主人の49日が過ぎた頃から、自分の終活を始めていたのが、ほぼ終わりました。
正式な文書ではありませんが、遺言ノートを用意して、預金の分け方や、私の遺骨を少し分けて、実家の両親の眠る墓に入れてほしいことを書いたり、棺に入れてほしい物の写真や、現在で遺影にしてほしい写真や、急死だったせいで余り考える時間がなく、主人の棺に入れてやれなかった物を新たに探して用意したり、パソコンに、
私死亡時にやるべきこと(名義変更、司法書士依頼、親戚との交際費控え、資産税や自治会や菩提寺へのお布施支払いなど)を、思いつく限り、残したりしました。いつ、私が主人の側に行っても大丈夫なようにしたつもりです。

相変わらず主人は、夢にはなかなか現れてくれませんが、先日お風呂に入っていたら、主人の匂いがしたような気がしました。最初は気のせいかと思いましたが、少し経って、もう一度匂いがしたので、気のせいではないと思いました。以前読んだスピリチュアルの本には「霊臭」と書いてあったような記憶があります。主人がそばに
来てくれていたのかもしれません。

今のところ、主人の月命日毎に、一か月を振り返って、書かせてもらっています。まとまりのない文章ですみません。

今つらい状況の方にどんな声をかけますか。という質問に、このように答えてくれました。

愛する人を亡くして、涙にくれていても、半年前後になると、個人差も勿論ありますが、前を向く考え方になってきます。死ぬことは、100%怖くないと言えば嘘になりますが、主人と会えることの方が嬉しいので、終活もやりたくてやっていました。

このころになると、日によって、主人が生きていたのが、昨日のことのように思う日もあれば、遠い過去だったように思う日もあります。そして、やはり、ぶり返しも断続的にあります。

でも、毎日日高先生からいただいている言葉に、私の経験するような感情の起伏も、「正常ですよ」と書かれてあるので、こうして、時々は逆戻りしながら、折れ線グラフのようになりながら、少しずつ回復していくのだと信じています。

さとみさん、エールフォワードありがとうございます。

はい、「ぶり返し」は、必ずと言っていいほどあるものです。元気が出ないときの自分に、笑顔でいるときの自分も、やさしく受け止めていけば、それだけで十分です。

また送ってください。

エールフォワードとして受け渡していきます。

カウンセラー 日高りえ

 

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