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ヘンリー王子 どうやって母ダイアナ妃の死と向き合えるようになったのか

カウンセラーの日高りえです。

イギリスのヘンリー王子が英国誌「デイリーテレグラフ」のインタビューで「これまで20年にわたり、すべての感情を遮断してきた」と語っています。

母であるダイアナ元妃は1997年に不慮の事故により36歳の若さで亡くなくなりました。
当時のヘンリー王子は12歳。
母を亡くしてからすべての感情を遮断し、26歳で自分の精神状態に混乱をきたし、28歳でカウンセリングを受けます。
事故から20年経ち、ようやく母であるダイアナ元妃の死と向き合えるようになったそうです。

ヘンリー王子は、このように語っています。

12歳で母を失い、以来20年間も全ての感情を押し殺してきたことは、私生活や仕事に重大な影響を及ぼした。

26歳ごろから突然「完全な混乱状態」に陥り、「自分はどうしてしまったのか」と悩んだ末、兄ウィリアム王子に勧められ、28歳で専門家に相談。

母の死に私がどう対処したかというと、ただ現実から目をそらし、とにかく母のことを考えないようにした。そんなことをしてもただ悲しくなるだけ、母は帰ってこないと思ったから。

また、このようにも語っています。

外傷であればわかりやすいけど、隠れた傷だったら誰にもわからない。

他の家族や子どもたちを見ると、彼らに自分と同じ経験をして欲しくないと思う。経験を通して、少しでも助けになりたいんだ。抱え込む代わりに、若いうちから「言葉にする」勇気を持って欲しい。

 

「抱え込む代わりに、言葉にする勇気」

愛する人を亡くした悲しみ、簡単に無くなるものではありません。
大切な存在であったからこそ、それだけ大きな悲しみおそわれます。

それは、一生無くならないのかもしれません。

それでも、時間とともに、そして「言葉にすること」で悲しに飲み込まれる時間は減っていきます。
言葉にできる環境がない場合もあります。
周りが、家族さえもそれを嫌がることも多いです。

「もういい加減にしたら」「いつまでもそんなこと言っていないで…」

そう言われたら、話せなくなってしまいますよね。
そうすると、悲しみを吐き出せなくなって、心の中に抱え込むことになって、どんどんと心の中で悲しみというエネルギーが膨らんでしまいます。

それが原因で、身体の不調、精神状態にも支障が起こってきます。

グリーフケア※の観点からも、ガス抜きできる時間を持つといいですよね。
※グリーフケア:喪失による哀しみのケア

「抱え込む代わりに、言葉にする勇気」

このヘンリー王子の言葉が、もっと多くの方に届きますように。

日高りえ

 

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