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天国の夫へ「夢にだけでもいいから、出てきてくれませんか?」

さとみさんから届きました、夫へのお手紙をご紹介します。

さとみさんから夫へ「天国への手紙」

夫へ

2度目の手紙になります。今日はあなたの2度目の月命日でしたので、お墓参りに行ってきました。それでも、あなたは、やはりお墓でなく、家にいるような気がします。49日もとうに過ぎたのに、まだあなたがどこかへ行っているような気がして、あなたがいなくなった実感も半分くらいです。毎朝あなたを玄関先で見送ったことも、ただいまーと言いながら、襖を開けて入ってきて、「今日のご飯何?」がいつものあなたのセリフだったことも、庭の縁台でタバコを吸っていたあなたの姿も、昨日のことのようです。

もうお彼岸も過ぎて、すっかり秋になりました。暑い日には、脱水症による心室細動で亡くなったあなたを、私から奪った夏の暑さを恨み、それなのに、秋の涼しさの中にいると、あなたが生きていた夏が終わってしまったと嘆くと言う矛盾した心持ちになっています
以前、菩提寺の掲示板に貼ってあった言葉を思い出しました。22歳で亡くなった大島みち子さんと言う娘さんの言葉です。「人生長きがゆえに尊からず。人生深きがゆえに尊し」これをあなたに贈りたいです。

あなたが亡くなって、毎日のように、死別ブログを見る習慣になってしまいました。そのうちの或る方が「夫との死別は本当に苦しいものだったが、死別と言う経験がなければ、これほど強烈に愛と感謝を感じることはなかっただろう。何ものにも代え難い気付きと言う宝物を与えられたのだ」と。この気持ちが半分くらいですが、わかった気がします。

自分がこんなにあなたを愛していたこと、あなたが自分の身体の一部になっていたことを身に染みて感じました。たとえ生まれる前に戻って、もっと長生きする男性を夫にしてやろうか、と神仏に聞かれたとしても、私はあなたでなくてはいやだと断るでしょう。

この世で、日本に生まれ、普通なら出会うはずのない他県に生まれ育った私達が出張先で出会い、結婚までに至った縁。

あなたとの死別は、今までの人生で最悪のことでしたが、あなたと結婚できたことは、子ども達のことや親のことなどいろいろな苦労がありましたが、それでも、胸を張って、幸せだったと言えます。
そう思えるようになっただけ、少し立ち直ったと言うことでしょうか?でも、これから先のあなたのいないクリスマスやお正月などのことを考えると落ち込んでしまいます。やはり、夢にだけでもいいから、出てきてくれませんか?

さとみ

お手紙ありがとうございました。

さとみさんの思いが、ご主人へ届きますように。

日高りえ

 

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