グリーフケア専門カウンセラーの日高りえです。
幸せになる一番簡単な方法は、人と比べるのをやめることだと言います。
そんなの無理。いや、やめたいと思っているけど、どうしても比べてしまう。周りの目を気にしてします。こんなジレンマもあるかと思います。
話は少し変わりますが、高橋大輔選手が、4年ぶりの現役復帰をされ、全日本フィギュアスケート選手権2018に出場されました。結果はシュートプログラム(SP)で2位、フリーが終わっても2位で銀メダルとなりました。現役復帰を決めてから地方大会から出場して、見ているほうもハラハラでしたが、スケーティングの格好良さは変わらずでした。
と、私の個人的な感想はどうでもいいのですが、出場前の高橋選手の目標は「フリーは、最終グループになること」と言っていました。そして、そんな高橋選手は現役復帰をされた時、地方大会で思ったような演技ができなくても、オリンピックに出場していた時より、スケートが楽しいと言っていました。
それは人と比べることをやめ、競技という場ではありますが、自分にできることを精一杯やっているから、「楽しい」という言葉が出てくるんだと思います。
そして、少し昔の話になってしまいますが、「自分をほめたい」と明言を残した有森裕子選手。1992年バルセロナオリンピックで銀メダル、その4年後のアトランタオリンピックでは銅メダルと順位は落ちていますが、有森選手は「バルセロナのときよりうれしい」とまで言っていました。
順位は前回よりも下がっているけれど、「自分をほめたい」。人の指標ではありません、自分の指標です。
人と比べることをやめたら、楽しいし嬉しいんですよね。
人の指標、一般的な指標でなく、自分の指標ができたとき、幸せになるってことです。
一般的には、亡くなるのは年齢順です。高齢の親が亡くなり、年を取った配偶者が亡くなり、年を取った自分も亡くなり、子どもは一番最後。この順番が狂ってしまったの時、または大人であっても、まだまだこれからの年齢で亡くなった時は、大きな哀しみの渦がやってきます。
周りをみれば、幸せな家族ばかり。またもや大きな寂しさの渦に巻き込まれます。
そんな時は、一般的な指標ではなく、自分自身の指標でいられると、心が軽くなります。
亡くなるのは年齢ではなく、生きるという目的を終えたとき。この世でのお勤めを終えたとき。若くても、たとえ赤ちゃんであっても、お母さんに喜びを与えるというお勤めを終えて、あの世へ旅立っていくのです。
なんて、偉そうなことを言っていますが、私だって、なかなかどうして…難しいです。
きっと、自分がこの世でまだ生きているこということは、この世界で学ばなくてはいけないことがあるから、まだこの世にお勤めしなくてはいけないからなんですよね。
その一つが、「人と比べない」ってことなんだと思います。
すべてのことができなくても、たった一つでも、たった一時でも、私は私の指標で生きている、人と比べていない。って思える時があれば、それでOKなんだと思います。
スポーツ選手から、生きざまを学ぶことはとても多いですね。
人と比べることを少しでもなくして幸せを感じられますように。
日高りえ