「もし今もあなたがここにいたらと…」

白い傘さんから届きましたお手紙をご紹介します。

白い傘さんから暁さんへ「天国への手紙」

暁さんへ

あなたと出会った街から、一緒に暮らした街から、随分と遠い場所で暮らしています。
でも今あなたがいる場所はもっと遠い。

もし今もあなたがここにいたらと、事あるごとに考えずにはいられません。
あの日あなたの身に起きたことは全て悪い夢で、また会えるような気がして。

強いあなたについていきたかった。
弱いところを見せられない立場のあなたの支えでいたかった。
私にはいつも優しすぎるほど優しかったあなた。
してもらったことばかり、私はあなたに何もお返しできないまま。

今年もきっと、もう歳を重ねることのないあなたの誕生日は、指輪をくれた日は、どうしようもなくあなたに会いたくなって涙が止まらなくなるのです。

そうやって泣いたりするくせに、私は今なぜか平穏に幸せに生きています。
あなたがいなくなった世界で、長い月日が過ぎて、幸せでいられる自分がとても非情な人間に思えます。

あの頃、大人だったあなたに釣り合いたくて私は背伸びをしてばかりいました。
出会った日からずっと、あなたは私の憧れの人でした。
6年間、傍にいられて幸せだった。
永遠に愛しています。

白い傘