日高りえです。
「マッチ売りの少女」の朗読動画がご紹介します。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの「青い鳥」より、私が朗読しています。
動画(写真)の左側のマッチ売りの少女は私です。。2010年 三越劇場より
脚本は倉本秀哉さん。
「マッチ売りの少女」とは、
マッチを売る少女が、寒さに震えて売り物のマッチをすり、夢を描いて亡くなってしまうストーリーです。
最後には亡くなってしまうマッチ売りの少女。悲しいストーリーと言えばその通りかもしれません。
けれど、脚本の倉本秀哉さんは、このように描いていました。
印象に残るセリフを書いてみます。
流れ星が流れたのを見て、少女は言います。
「おばあちゃんが教えてくれたの。流れ星が流れるときは、誰かが死んで天国に行くんだって。そして空のお星さまになるんだって」
「明るい朝が来る前は暗い夜なんだって。きっといいこともあるって。」
そして、何本目のマッチを擦ったとき、亡くなったお母さんとおばあちゃんを光の中に見ます。
おばあちゃんは、何かを伝えようとしていますが、何を伝えようとしているのか、わからないまま、マッチの火は消えてしまいます。
そこへ、困っているおばあさんが現れます。
少女は、何かに気づいたように、こう言います。
「あたいのおばあちゃん、きっとこのことを言いたかったのよ。困っている人がいたら、自分のことよりその人のことを考えろって。」
そして、持っているマッチを全ておばあさんにあげてしまいます。
喜んでいるおばあさんの姿を見て、少女は安らかに幸せな顔をして目を閉じました。
次に目を覚ました時には、少女のおばあちゃんが星の精とともに現れて、少女は天国へと昇天していきました。
少女は星になったんです。天国へ行って星になったんです。
生きているときは、辛いことが多くて大変な人生だったかもしれません。
幼い時に大好きなママとおばあちゃんが亡くなってしまい、食べるものにも着るものにも困る生活でした。
それでも精一杯生きて、自分に助けを求めている人を助けて、この世の務めを終えました。
亡くなり方も冷たい雪の中で息を引き取るわけですが、どんな亡くなり方をしていても関係ありません。
立派に生きたんです。
懸命に生きたんです。
その軌跡こそが素晴らしい人生だったと私は思います。
日高りえ