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小林麻央さんの言葉からいただいた、遺された方の哀しみを癒すヒント

カウンセラーの日高りえです。

小林麻央さんが、6/22にお亡くなりになりました。

小林麻央さんは、昨年11月にイギリスの公共放送BBCに、闘病生活などをつづったブログで多くの人を勇気づけたとして、世界の人々に影響を与えた「ことしの女性100人」に、日本人で初めて選ばれています。

選ばれた理由は、「日本では、がんについて表立って話をするのは珍しいことだが、小林さんが既成概念を破って闘病中の経験や思いをブログでつづり始めた。小林さんのブログはがんと闘う人だけでなく多くの人を元気づけた」からだそうです。

これを受けて小林麻央さんはBBCに寄せた手記の中の一部をご紹介します。

人の死は、病気であるかにかかわらず、
いつ訪れるか分かりません。

例えば、私が今死んだら、
人はどう思うでしょうか。

「まだ34歳の若さで、可哀想に」
「小さな子供を残して、可哀想に」

でしょうか??

私は、そんなふうには思われたくありません。

なぜなら、病気になったことが
私の人生を代表する出来事ではないからです。

私の人生は、夢を叶え、時に苦しみもがき、
愛する人に出会い、
2人の宝物を授かり、家族に愛され、
愛した、色どり豊かな人生だからです。

だから、
与えられた時間を、病気の色だけに
支配されることは、やめました。

なりたい自分になる。人生をより色どり豊かなものにするために。

だって、人生は一度きりだから。

 

ここでお伝えしたいことは、この部分です。

 

病気になったことが
私の人生を代表する出来事ではないからです。

私の人生は、夢を叶え、時に苦しみもがき、
愛する人に出会い、
2人の宝物を授かり、家族に愛され、
愛した、色どり豊かな人生だからです。」

 

これは、亡くなった小林麻央さんの言葉ですが、これは遺された方にも言えることです。

大切な人を失うと、どうしても亡くなった時だけに思いが集中してしまいます。

病気で亡くなったのあれば、苦しかった闘病のこと、こうしていればよかったのではないかという思い。
突然亡くなった場合でも、なぜ気が付いてあげれなかったのかと、後悔の思いでいっぱいになります。

どうしてもそうなってしまうのはわかります。

けれど、亡くなった方が生まれてからの一年一年。

オギャーって生まれて、毎年365日という年月を過ごし、子供時代、学生時代、アナウンサー時代、梨園の世界に入って、病気になって。

麻央さんが綴られているように、いろどり豊かな人生です。
(これは麻央さんだけではなく、どんな方でも同じです)

そして、海老蔵さんが知っている麻央さんもありますが、海老蔵さんが知らない麻央さんもいます。
お姉さんの小林麻耶さんが知らない麻央さんもいます。
お子さんが知らない麻央さんもいます。
親御さんの知らない麻央さんもいます。

自分の知っている部分だけではなく、いろいろな麻央さんがいます。

そうやって多角的に生きていた人をとらえると、哀しみも変わってきます。

もちろん、大切な人を失ったことは大きな悲しさですが、最期の時だけがすべてではないということです。
可哀想な人ではないということです。

たとえ、何歳で亡くなったとしても。

小林麻央さんのご冥福をお祈りいたします。

日高りえ

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